船の仕事ダイジェスト

 

よく人から「船ではどんな仕事をしているのですか」と問われることがある。

私自身の仕事から説明することにしたい。

私は現在船長だ。一般に外国航路の船舶では、船長、一等〜三等航海士、機関長、一等〜三等機関士、通信長らの職員とその下に、甲板部、機関部、司厨部があり、数人ずつの部員が配置されている。長さ350m・20万トンクラスの大型タンカーでも乗組員は約25名というところだ。船長はその全ての部署の上に立つ統括責任者である。

 航海士は自動車で言えば、運転手だ。海の上には、道路はない。海図を見ながら、予定航路上に船を走らせるよう、船の進路を修正し、前方から船が来たときは避ける、つまり船を操縦するのが主な仕事だ。航海士は航海中、4時間毎の勤務で1日8時間、当直にあたる。一等航海士は4〜8時、16〜20時、船橋で船を操縦するため、当直に入る。

 機関士は、いわゆるエンジニアである。船はそれ自体1つの工場のようなもので、メインエンジンを筆頭に、いろいろな機器を持っている。その機器の保守をするのが機関士だ。

 通信長は、船内の公私にわたる通信を司る。昨年より業務用モールス信号が廃止され、衛星を媒体とする通信が主流となり、通信長に代わり、私たちが通信士を兼任するようになって来た。

 港に入出港する時はもちろん、手動で操船するが、外洋に出れば自動操舵となる。自動操舵中は、航海士と操舵手が4時間毎に当直に入り、船を操縦することになる。他の部署は、自動となるので、昼間だけの仕事の体制をとる。

 食事は2〜3人の司厨部員が作る。にぎり寿司なども出ることがあり、陸上とほとんど変わらない。

 船は365日動いている。ほとんど休暇らしい休みが取れないのが、たまにきずだ。

しかし外航船員は、現在8カ月乗船、4カ月休暇という年間サイクルで仕事をしている。まとめて休みが取れるのが、何といっても魅力だ。

 

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