2005年4月12日

信仰補強の場としてのアルファコース

カトリック八王子教会 アントニオ 増島忠弘

「あなた、渋谷のアルファコースに行ってみない?とっても良いわよ。きっと信仰が深まるから」と家内に言われた当初、私は当惑した。この学びのコースが始まるのが、1月中旬、そして仕事の関係で2月中旬までの1ヶ月しか参加できない。それに加えて、スキーで未知の雪山に登って滑ることを趣味としている私にとって、この冬の時期は、雪と戯れることに忙しく、主日のミサすら、忘れた頃に行くような状態である。ある神父さんが「教会では主日のミサが一番大事、その次はお茶(信徒間の交わり)」と言っていたが、何しろ雪はこの時期にしかない。とても気が重い。

 しかしとりあえず、家にあるアルファで使うビデオを少し見てみることにした。ニッキー・ガンベルという聖公会の牧師のトークだ。これが結構引き込まれて、楽しく、またユーモアに富んだお話なのだ。ただ肉声でなく、ビデオのニッキーさんを見た後、小グループでそのビデオについての意見交換(分かち合い)をするという。何だか新興宗教の臭いがする・・・余りにニッキーさんの話が巧すぎて、ニッキー教になりはしないか・・・などいろいろ考えさせられた。ま、一応家内が良いからというので、今回は家内の言うことを聞いて行ってみるかという気軽な気持ちで参加した。

 ビデオを見ての分かち合いというので、最初大分、私自身の心の中には抵抗があった。しかし十数人の小さなグループでの分かち合いで、グループ内の人々とも気心が知れてくると、心の奥底の話まで出来るようになって、自身の信仰を見つめなおす機会が神様から与えられたようだった。特にこの学びに参加して、私の中の信仰について大きな変化のあった2つを紹介したいと思う。

 まず1つ目は何と言っても、祈りに対する考え方とその質が以前と大きく変わったことだ。以前の私は、祈りに自分自身の利益になることは求めず(というか求めるべきでないと考えていたところがあった)、家族のいやしや広義の平和等を祈っていたことが多かった。トーク6・神に祈るの中で、「祈りは原則として何でも良い。神様に祈って、それに対して神様より何らかの働きがあって、それを受け止め、感謝するような双方向のものである」ということを教えられた。神様に対しては、求め過ぎということはないとも説明された。またこの双方向の気持ちを持つことで、祈ったあとの神様からの働き(具体的な業)について敏感に感じ、喜び感謝できるようになった。

 2つ目は、聖霊について。それまで聖霊について、漠然とした感じ方しか持っていなかったが、聖霊の働きや満たしについて詳しく学ぶことで、理屈での理解ではなく、心の中で非常に身近に感じられた。また三位一体についても、神様は天にあり全ての人を見て愛しておられる。イエス様は私たちの傍らにあって、私たちと共に喜んだり、悲しんだりしていてくれる。また聖霊は私たちの心の中にあって、私たちを導いてくれるということを体感することができた。

 また小グループ内の人より借りた書籍「闇に輝くともしびを継いで:スティーブン・メティカフ著」と「賛美の力:マーリン・キャロザーズ著」を読むことで、私が物心ついた頃からの心のわだかまりとして持っていた2つの疑問点が少し解き明かされたようになった。

 「汝の敵を愛せるか?」これは本当に長い間、難しい教理で、ある意味では人間の理想的姿に過ぎないと思っていた。イエス様は続けて「あなたがたを憎む者に親切にしなさい」とも言われる。これを実行しようとすることは非常に難しい。ところが「闇に輝くともしびを継いで」の中でこの疑問にある一定の答えが示されている。それはまず、そのあなたを憎む者や敵のために祈りなさいということである。「彼らも神様からの愛を受けている。どうか彼らにお恵みをお与えください」と祈ることはできると思う。そうやって祈るとき、自己中心的な考えから解放され、神様中心の世界へと導かれ、自然と憎しみが消え、愛せるようになる。私自身が嫌いな人のために祈ってみたが、なるほど、その人が嫌いではなくなった。祈ることで神様によって私が変えられるのだ。頬をうたれたら、もう一方の頬をも向けなさいというのは・・・?!

「どんな時でも感謝できるか?」これも非常に難しく厳しい。世の中、大は戦争や海賊の話から小は夫婦間のいさかいまで、「神様ちょっとひどいんじゃない」と思えることが何と多いことか。「賛美の力」の中で、マーリン師は「どんな過酷な状況のなかでも神様に感謝し賛美の祈りをささげれば、必ず神様の働きや恵みがある。決して迷わず、苦境を感謝し賛美し続けること」を言われる。おぞましい悲劇に感謝し、賛美を続けることは確かに耐え難いことではある。しかしながら、これ以上はないと思えるくらいひどい状況下では、もう失うものは何もなくなるのではないだろうか。その時、その状況を受け入れ、神様のなせる業を感謝してみようという方向に向くことは可能ではないだろうか。イエス様は言われた「いつも喜んでいなさい。耐えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」(1テサロニケ5・16)「神様ひどい!」という前に、神様に全てをお任せして、感謝し賛美をしてみようという気持ちにさせられた。

 

2月中旬には、船に乗るか、陸上勤務かと揺れ動いたのだが、結局いろいろとあり、4月下旬まで、休暇となり、このアルファ・コースを続けて最後まで参加させてもらった。そのおかげで、私自身の神様の働きを現実に見るためのアンテナがとても性能の良いものとなり、今まで雑音と乱れた画像で見ていたテレビが、ハイビジョンのテレビに変わったような感覚になった。これ全て神様のおかげと非常に感謝している。

 

アルファ・コースにこれから参加される皆さんに一言。しみじみとした気持ちで皆さんに言います「神様に心を開いて、参加すると必ず神様のお恵みがあります。アルファ・コース良いですよ〜」

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